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ARM で動くWindows Server、2017 Open Compute Project Summitでマイクロソフトが発表
アメリカで行われた、2017 Open Compute Project SummitでマイクロソフトがARMで動く、Windows Serverについて発表しました。
マイクロソフトはQualcommやCaviumをはじめとした、複数のARMサーバーサプライヤーと緊密に協力し、データセンター向けのARMサーバーの開発に取り組んでいます。
ARMアーキテクチャに対して積極的に取り組む理由は
マイクロソフトがARMに目を付ける理由は何なのでしょうか。マイクロソフトはその理由を以下のように述べています。
健全なエコシステム
複数の開発ベンダーが存在し、コアとスレッド数、キャッシュ、命令、接続オプション、アクセラレータなどの技術的能力を積極的に開発を互いに行っている、健全なエコシステムが存在しているため。
ソフトウェア開発エコシステムが確立している
ARMサーバーはハイエンドの携帯電話ソフトウェアスタックの恩恵を受けています。
確立されたソフトウェア開発エコシステムのおかげで、MicrosoftがクラウドソフトウェアをARMサーバーに移植する際に大きな助けになったとのこと。
ARMがISA拡張に適している
オペコードセットが直行しているため、ISA拡張に適していることをマイクロソフトはあげています。
ARMアーキテクチャーに適した処理
マイクロソフトが検証を重ねた結果、検索やインデックス作成、ストレージ、データベース、大規模なデータや機械学習に対して、非常に適していることが判明しています。
bitcoinのマイニングにFPGAが最適だという話は聞いたことがあるのですが、他にもインデックスの作成や、ストレージ、データベース、機械学習にも適しているんですね。
よくよく考えてみるとストレージにはARMプロセッサーを搭載した製品がよく見受けられますよね。
検証を行うに当たり、Windows ServerをARMアーキテクチャへ移植した
マイクロソフトはこれらの検証を行うために、x86_64 Windows ServerをARMアーキテクチャへ移植しました。
Language Runtime、ミドルウェアコンポーネントも移植して、OS上で動作するアプリケーションの移植も行ったようです。
今回デモを行った筐体
Qualcommのプロセッサーを利用した筐体
こちらは、QualcommのCentriq 2400 ARMサーバープロセッサを利用したデモ機。
Centriq 2400は、10nm製造プロセス、コア数は48コアの最新のプロセッサーですね。
ARMを採用したため、フットプリントが小さくなっており、余剰スペースにはストレージを大量に載せています。
ストレージサーバーもしくは、データベースサーバー用途でしょうか。
ただ、この配置だとストレージのホットスワップ交換はできないような気もしますね。
Caviumのプロセッサーを利用した筐体
こちらは、CaviumのThunderX2 ARMv8-Aサーバープロセッサーを利用した筐体で、髙パフォーマンスコンピューティングを提供できるようです。
こちらの用途は主に機械学習でしょうか。x86_64サーバーと比べて基板がすっきりとしているため、おもちゃのようにも見えてしまいますが、これは恐らく古い考えなのでしょうね・・・
まとめ
マイクロソフトは今度自社のデータセンターへARMサーバーの導入を進めていく計画を立てているようです。
先日、ARM上で動くWindowsの発表がありましたが、ついにはWindows ServerまでもがARM上で動くようになったんですね。
少し前までは、ARMでクライアントOS、サーバーOSを動かすだなんて、と思っていましたが、ARMの性能向上、技術開発は目まぐるしい物で、日々進化し続けています。
ARMでサーバーを動かすだなんて、といった一種の偏見のような目線、x86_64至上主義はもう時代遅れなのかも知れませんね。
今後の動きに期待したいところです。
Source: マイクロソフト