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あのMicroServerがCoffee Lakeを引っさげて帰ってきた!HPE MicroServer Gen10 Plus
皆さんは旧HP、現HPEが抱えるモデル、MicroServerをご存じでしょうか?
あのサーバベンダが、SOHO向けに準備した小型サーバで、初代がAmazonなどで投げ売りされていたこともあって、僕のようなサーバ愛好家にたくさん買われたモデルです。
とはいったものの、あくまでSOHO向けのモデルでHPEのメインターゲットからはどうしても外れる製品なので、モデル展開スパンは非常に長いモデルでした。
歴代MicroServerモデル
モデル名 | ベースCPU | 発売日 |
---|---|---|
初代MicroServer(N36L) | AMD AthlonⅡ NEO N36L | 2010年9月 |
MicroServer(N40L) | AMD AthlonⅡ Neo N40L | 2011年9月 |
MicroServer(N54L) | AMD AthlonⅡ Neo N40L | 2012年12月 |
MicroServer Gen8 | Intel Celeron G1610T | 2013年7月 |
MicroServer Gen10 | AMD Opteron X3216 | 2017年6月 |
MicroServer Gen10 Plus | Intel Pentium Gold G5420 | 2020年3月 |
初代の写真が残っていたら良かったのですが、残っていなかったのでASCIIより引用してきましたが、黒一色な昔ながらのデザインのボックスサーバ。
恐ろしく安い割にSATA 3.5インチHDDを4本させる筐体は当時の僕にとっては大変魅力的で、早速楽天で購入してファイルサーバにした覚えがあります。
2013年頃に購入したMicroServer(N54L)ですが、2020年4月の今も実家で二次バックアップ先としてピンピン動いています・・・
流石にここまで長生きすると逆に引くレベル。この頃のサーバってすっごい丈夫なんですよね・・・
ただ、搭載されていたCPUがAMD AthlonⅡ Neoだったこともあって、あまり大胆に遊べるサーバではありませんでした。
ガッツリ遊べるMicroServer Gen8の登場
そんな中2013年に現れたMicroServer Gen8。初代と違ってベースCPUがCeleron G1610Tを採用していたので、そりゃもう遊び放題ですよ。
有志の中にはサポートされていないCPUに換装している方も居ましたね。
今でもMicroServer Gen8を現役で使っている方いらっしゃるんじゃないでしょうか?
こいつは本当に人気で今でも2万くらいで取引されているのを見かけます。
4年後に新モデル発売へ、さながらMac miniのよう
しばらく動きがなく、流石にもう新しいモデルはこないだろう、と思っていただけあって2017年に発売されたMicroServer Gen10には心躍りました。
採用CPUは初代ぶりのAMD。 昔の憧れOpteronを搭載してきたわけです。
ただ、スペックシートを見てみるとサーバ向けAtomみたいな立ち位置で、栄枯盛衰を思わせるようなCPUとなっており、何だか寂しさを感じた事を覚えています。
まさかここから数年でRyzenとEPYCを引っさげてIntelにボロカスに打ちのめすようになるとは・・・
2017年に発売された割には確か、公式で10GbE NICをサポートしていなかったりと、NASに使うにもESXiサーバに使うにも微妙な立ち位置のサーバでした。
ただ、HDDを4本搭載可能な仕様は変わらずで、直販価格も6万円台からとかなり頑張ったモデルだとは感じていました。
結局買いませんでしたが・・・
まさかのCoffee Lake Pentium採用のGen10 Plus登場
そしてですよ、そしてですよ・・・! 2020年3月に入ってまさかの新モデル発売!
それに加えてCoffee Lake Pentium採用! また遊べるサーバくんの到来にそれはそれはもう心が躍ります。
筐体自体はMicroServerシリーズの伝統だった正方形ではなく、長方形型採用となりました。
高さが約12cmと収まりの良い筐体で大変に良いです。
3.5インチHDDを4本搭載できる仕様は健在
それでいながら、3.5インチHDDを4本搭載できる仕様を踏襲。 お前分かっとるやんけ!!というやつです。
Gen10でクビになったiLOが搭載
初代MicroServerはBIOSレベルから遠隔操作するためには、別途ハードウェアコンポーネントが必要でした。
その後に発売されたMicroServer Gen8ではまさかのiLO搭載。
これがMicroServer Gen8が今でも人気のある要因の一つかなと感じるくらい大きな変化でした。
Gen10はそら搭載されるんだろうなぁと思ったらまさかの非搭載。
その分イニシャルコストが抑えられているわけですが、それならサーバじゃなくて良いじゃん、となるガッカリモデルでした。
そして、Gen10 Plusではどうなったかというと、iLO5搭載!
iLO復活は本当にありがてぇ。 お前分かっとるやんけ!!ってやつですね。
オプションで10GbE NIC搭載可に
特集ページなどでは取り上げられていませんが、10GbE NICも標準オプションとして選択可能ときたものです。
これで選択肢が一気に広がります。高速ファイルサーバとして使うも良し、ESXiサーバとして使うも良しのバッチ来い仕様。
価格は少し上がって税抜11万円から
Gen10と比べて色々と仕様が豪華になり、キチンとしたサーバとして仕上がっていることから、最小構成モデルは税抜で11万円から。
ストレージレスのPentium G5420、RAMはPC4-2666V-E 8GB、iLOポートは無しと本当に最低限のモデルとなっています。
ビジネスとして購入するのであれば、更に色々と詰め込んでいくのでもう少し高くなりますが、我々愛好家であれば自分で後から付けたしゃ良いので問題なし。
ただし、最低限追加した方が良いパーツがありますので、しょぼんブログ的オススメカスタマイズ例を以下に紹介したいと思います。
項目 | 内容 | 費用 |
---|---|---|
メモリ | なし(標準8GBのみ) | 0円 |
ドライブベイA | なし | 0円 |
ドライブベイB | なし | 0円 |
ドライブベイC | なし | 0円 |
ドライブベイD | なし | 0円 |
SSD対応キットA | あり | 1,000円 |
SSD対応キットB | あり | 1,000円 |
SSD対応キットC | あり | 1,000円 |
SSD対応キットD | あり | 1,000円 |
光学ドライブ | なし | 0円 |
PCI Expressカード | なし | 0円 |
キーボード・マウス | なし | 0円 |
セキュリティオプション | なし | 0円 |
iLO専用ポート | あり | 7,000円 |
モニタ | なし | 0円 |
管理ソフトウェアオプション | なし | 0円 |
SSDを後から乗せる場合、そのままでは取り付けできないので最初からSSD対応キットを4スロット分購入しています。
というか、自分が組む場合は全スロットSSDにする予定なのでこれはマスト。
iLOについては最初Shared Portかなと思ったのですが、カスタマイズ画面に以下のような記載がありました。
リモート管理を有効にするには、こちらが必要です。
別梱包でお届けしますので、お客さまにて取り付け作業が必要になります。
であれば追加しないと意味が無いな、ということで追加。
これで合計税抜121,000円。消費税と送料込みで136,400円となります。
2020年8月30日更新時に確認したのですが、期間限定で上記構成からSSD対応キットを抜いた構成が、消費税と送料込みで95,700円で購入できるようです。
初代の投げ売り価格を見ているとどうしても割高に見えがちですが、普通にサーバを組むのであれば妥当な値段。
これでなぁ・・・ 例の10万円給付があれば買ってたんですけどね・・・
今年は支出を抑える目標を立てているので、今すぐ購入はできなさそう・・・
でも使って見たいなぁ・・・ ぐぬぬ、と思わせるようなサーバでした。
小型だけど、HDDは4本くらい載るESXiサーバ立てたいなぁ、という方には本当にオススメですので、一度検討されてみてはどうでしょう。
もちろん個人だけでなく、SOHOや中小企業の方にも十分オススメできるモデルです。