日本語ブログを運用する場合の、GDPR解釈についての個人的まとめ
2016年5月4日付のEU官報に掲載、2016年5月24日に発効、行政罰を伴う適用開始(実質的な施行日)が2018年5月25日の、EU一般データ保護規則、General Data Protection Regulation(以下GDPR)ですが、施行日が近づいてきたことから、SNSでも話題になりつつあります。
GDPRとは?
GDPRとは、EUを含む欧州経済領域(EAA)領内で取得した「氏名」や「メールアドレス」、「クレジットカード番号」などの個人データをEEA域外に移転することを原則禁止とする法律で、違反して警告などを無視した場合、非常に高額な制裁金が課せられます。
EEA域内の所在者全般を指し、現地進出の日系企業に勤務する現地採用従業員や、日本から派遣されている駐在員を含む
EUの28カ国および、EEAに含まれるリヒテンシュタイン、アイスランド、ノルウェーが対象となる
理解すると怖い域外適用
GDPRが脅威とされている点は、第3条第2項にある域外適用です。
こちらは、EU加盟国で利用されている言語もしくは通貨を利用して、商品やサービスの提供を行っている場合、域外適用の対象となります。
例えば、フランス語でサイトを表記し、ユーロ建てで商品またはサービスを提供していることなどが該当します。
「商品またはサービスを提供している」こととありますが、これは商品やサービスへの支払の有無は考慮されません。
ですので、表示されているだけで商品、サービス提供を行っていると見なされます。
サービスや商品を提供していないサイトであれば、EU圏内またはEAA圏内のユーザーがアクセスできる、メールでコンタクトが取れる等は域外適用には該当しません。
日本国内向けのサイトを日本語で運用している場合は?
GDPRの第3条(地理的範囲)第2項を見てみると、EU在住のデータ主体に対する商品またはサービスの提供を行っている場合がGDPRの適用対象となる、とあります。
つまり、EU域外で使用されているローカル言語(日本語)にのみ対応したサイトはGDPRの適用対象とならないと整理できます。
なので、日本語で運用されておりかつ、日本国内向けのサイトであれば、例え日本語が理解できるEU域内居住者や、訪日観光客がアクセスしてきても、GDPRの適用対象にはならないものと解釈できます。
まとめ
ひとまずは、日本語のみで運用されていて、日本国内向けのサービスや商品を紹介しているサイトであれば、特に問題無いと認識できます。
SNSでは何でもかんでも対象になるからEU域内のアクセスはブロックすれば良い、との情報も見受けられますが流石にそれは早計なのでは、といったところでしょうか。
ただ、日本語と英語を両記した日本観光旅行サイトなどは、対象となり得るのでしょうか。
この解釈であれば、特に問題無いようにも見受けられます・・・
既に日本語と英語を両記した、個人ブログ形式の日本観光旅行サイトを運用しているので、一度JETROに問い合わせてみようかなと考えています・・・
Source: EU一般データ保護規則(GDPR)に関わる実務ハンドブック(入門編) / JETRO | 第13回 インターネットサービス企業でのGDPR対応の進め方 / EY Japan