目次
スノーデン 見てきました。結構きちんと作り込まれた良作品【ネタバレ含む】
1/27日に公開された、映画スノーデン。2013年6月にガーディアン紙が報じた、NSAの国際的な監視プログラムの存在を暴露するまでの話を、情報提供者であるエドワードスノーデン氏の視点に立って、情報が暴露されるまでの間に何があったか順に追っていく作品でした。
実話を元にした映画の中では近年1番、2番を争う出来
大抵実話を元にした映画は、上映時間の関係や、聞き込み不足のせいで中途半端な出来になるものが多かったのですが、今回のスノーデン氏については対象の期間が20004年から2013年であること、きちんとした聞き込みが出来ていたおかげで、とても良い仕上がりになっていました。
ニュースを追うだけでは、アメリカの機密情報を暴露したクラッカーとしてしか知らない方も居るかも知れません。そんな人でも、スノーデン氏のバックグラウンドを理解できる良作です。
CIAへ入るまでの流れ
これもニュースなどを見るだけでは入ってこない情報なのですが、元々スノーデン氏はゴリゴリの右より思想でした。
しかし、ネットで出会ったリベラル派の彼女に影響されていくわけですが、これが後に大きな影響となって表れていきます。
これがこの映画のキーとなるんですよ!といった主張を出さずに、ごくごく良くある話のように見せかける、話の作り方は非常にうまいものだと感じました。
腕利きの右寄りハッカーが、リベラル派の彼女の影響を受け、やがてクラッカーになる。
その流れを観客へ常にドキドキさせながら見せる話の構成は、地味ながらも確実に観客に伝わってきており、映像に派手さは無いのに動きの激しい映画を見ているときと同じような、ドキドキ感を味わえました。
一場面を除いて技術面の作り込みが良い
スノーデン氏がCIA、NSAで活躍している場面にはもちろん、ハッキング、クラッキングに関することが度々登場するのですが、一場面を除いて非常に丁寧に作り込まれています。
特に僕が驚かされたのは、スノーデンが使っていたメールシステムである、Lavabitが実際に出てきているんです。
これはスノーデン氏が実際に使用していた、暗号化電子メールサービスで、NSAの情報暴露によりサービスが閉鎖されたことで有名なサービスです。
政府に無理矢理閉鎖させられたというわけでは無く、FBIからスノーデン氏の情報を提供するように依頼があったのですが、Lavabitは髙セキュリティのプライバシー保護が目的である、メールサービスを運営していたため、情報提供するくらいなら会社をたたんでしまおうという考えから閉鎖に至りました。
そんなLavabitですが、先日サービスを再開しました。NSAの件でユーザーの個人情報保護への取り組み方が公となったので、ユーザー数も増えそうですね。
そんなこの映画ですが、1点だけ残念なところがあります。それはスノーデン氏がNSAの機密情報をmicroSDにコピーして持ち出す場面。
他の場面の完成度が高いだけあって、ここのお粗末さが際立ちました。一般の人にも分かりやすい表現をするための、致し方ない妥協だとは思いますが、少しだけ残念ですね・・・
まとめ
映画スノーデン。ギークな僕が見ても十分楽しめるドキュメンタリー映画でした。大阪ステーションシティの映画館で見てきたのですが、客の入りも8割くらいと結構混んでいました。
あれだけ世間を騒がせたニュースですから、関心度も高かったのでしょうか。興味のある方はこの休日に映画館へ足を運んでみてくださいね。
セックスシーンの描写があるんですが、R-18でもR-15でも無いのにそこはかとないエロさを感じました。どんな場面も妥協しない姿勢、良いと思います。