Windows開発キット2023を購入して、Windows ARMの検証機として使って1年強が経ちました。
発売当初からChromiumベースのMicrosoft Edgeは、しっかりとWindows ARMに対応していたのですが、Google Chromeは対応しておらず、x86_64エミュレーションで動かす必要がありました。
Windows 11 ARMのx86_64エミュレーション機能は想像以上に快適なので、普段使いしてる際にはそこまで影響は出ないものの、やはりARM64にネイティブ対応したMicrosoft Edgeと比べるとカクつくことがありました。
個人的には、TerminalとWSL2、VS CodeそれとGoogle Chromeがネイティブ対応したら取りあえずは困ることはない、と考えていたのですがGoogle ChromeのWindows ARMへの対応が思っていたより遅いな・・・と感じることがありました。
CanaryビルドでとうとうWindows ARMに対応
As much as I might not to admit, this is huge. Chrome for Arm64 is here.https://t.co/Zm2Weq1NtX
— Pedro Justo (@itanium_guy) January 26, 2024
M1 Macにはかなり早めに対応していたGoogle Chromeですが、ユーザ数が圧倒的に違うしリリースの優先順位が明らかに違う物の、いつ頃対応するかなぁ…と思っていました。
そんな中、Canaryビルド(試験運用版)のVer: 123.0.6268.0にてWindows ARMについに対応したとの情報を見かけました。
せっかくなので、Windows開発キット2023にCanaryビルドをインストールして試してみました。
UAを見て適切なインストール画面には遷移しない
Canaryビルドをかなり久し振りにインストールするのでもしかすると仕様なのかもしれませんが、Microsoft Edge(ARM64)でダウンロードページにアクセスしてもx86_64版のダウンロード画面が表示されます。
しかし、よく見ると「Chrome Canaryをダウンロード」ボタンの下に「Windows 11 ARMをお使いの場合」というリンクがあるので、こちらをクリックした後に「Chrome Canaryをダウンロード」をクリックしてWindows ARM用のインストーラをダウンロードしてインストールします。
インストール後に「Chromeについて」をクリックすると、確かにARM64版がインストールされていることが確認できます。
プロセスの詳細を確認すると、確かにARM64アーキテクチャでchrome.exeが動いていることが確認できます。
Octane 2.0で簡単にスコア比較をしてみる
まずは32ビットシミュレーション下で動いている通常版のGoogle ChromeでOctane 2.0テストを実行してみました。
結果としては、16,601ポイントであることが分かります。
続いてARM64版のGoogle Chrome CanaryでOctane 2.0テストを実行してみます。
結果は52,960ポイントと、32ビットシミュレーション下と比べて約3.2倍のスコアとなりました。
今回は定量的に性能比較ができるように、Octane 2.0でテストをしてみましたが、ここまでスコア差があると、Google ChromeのARM64ネイティブ対応は非常に大きな意義がありますね。
Canaryビルドは開発中のChromeの次期バージョンにあたるため、あくまでテスト専用で利用する物ですし、機能が追加されたり削除されたりすることもああります。
そのため、まだGoogle ChromeがWindows ARMに対応するぞ、と手放しに喜べる段階にはありませんが、軽く触った限りリリース廃止は取りあえず無さそうだなぁという感じですね。
Google ChromeのWindows ARM正式対応が今から待ち遠しいです。