Entra IDとIntuneを運用されている方にはおなじみの、「デバイス | 登録」内にある、自動登録オプションなんですが、先日UIの罠にはまってえらい目にあったので、備忘録としてまとめてみます。
Intuneを運用していくと次第にAという部署は専用の設定を、Bという部署にはこの設定をといった具合に、だんだんとIntuneで配布する構成プロファイルやアプリなどのパターンが増えていきます。
管理の仕方は千差万別ですが、一例として「Intune-A_Division」、「Intune-B_Division」といったように、最初からグループを分けた場合、自動登録オプションの設定も変更しなければなりません。
一番シンプルな設定はMDMユーザースコープを「なし」に設定すれば良いのですが、たいていそううまくはいかず、MDMユーザースコープを「一部」に指定し、それぞれのグループ(例では「Intune-A_Division」、「Intune-B_Division」)を別途指定する運用を取られている方が多いのではないでしょうか。僕の自宅環境も例にもれず特定のグループのみ指定しています。

ここの設定をしくじると業務に多大な影響が出るため、慎重に設定するはずが「まさかそんなことは起きないだろう」という思い込みからとんでもないことに繋がる落とし穴のような仕様があるんです。
このMDMユーザースコープを「一部」に指定した際の、対象グループなんですがとある操作をすると、今まで選択されていたグループが全部解除されちゃうんですよね。
基本的な操作を行うのであれば大きな影響は発生しないのですが、「まさかそんな操作で既存設定が消えるわけないだろう」と思い込んでいるとどツボにはまるパターンがあるんです。
今回は「どのような操作をすると既に選択されていたグループが解除されるのか、実際の環境を基に再現してみました。
再現手順
通常通り、Microsoft Intune管理センターから「デバイス」→「登録」→「自動登録」の順に遷移し、新しいグループを追加するため「n個のグループが選択されました(例では1個)」リンクをクリックします。

さて、このタイミングで声をかけられて別の作業を実施することになったので、事故防止のため「グループの選択」を右上の「×」をクリックして閉じます。
すると…… 先ほど「n個のグループが選択されました」と表示されていたリンクが「グループが選択されていません」という表示に変わっています。

「グループが選択されていません」リンクをクリックすると、確かに先ほどまで選択されていたはずの「ADDS」グループの選択が外れていることが確認できます。

とはいえ、「保存」ボタンがグレーアウトされているので、別ページに遷移するか「破棄」をクリックすれば特に影響はないのですが、ここに気づかずに作業を再開して、新たに追加するグループを選択するとそれ以外のグループが解除された状態で「保存」ボタンが活性化されます。
そのため、ここで気づかずにそのまま「保存」をクリックすると、頭の中では既存グループに追加で新しいグループを追加している認識なのに、実際には新規で指定したグループしか選択されていない状態が起きてしまいます。

その結果、本来Entra ID JoinすればIntuneに自動登録されるはずのユーザーがIntuneに登録されなくなる事態が発生するわけです。
IntuneでPINによるサインインを制限していない場合、デフォルト設定ではEntra ID Join時にパスワードサインインではなくPINの設定が求められてしまう。
慣れって本当に怖いもので、僕自身最初にこの仕様を踏み抜いた際、本当に身に覚えがなく、「どうしてこうなった!どうしてこうなった!」と頭を抱えていました。「まさか自分はそんなへまはしないよ」って人ほどハマる罠なので、皆さんもご注意を……
もし、「デバイス | 登録」内にある自動登録オプションを今後設定される際は、落とし穴のような仕様があるため、作業前に設定しているグループの一覧をスクリーンショットやメモなどで保存しておくことをおススメします。
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