産業用ベアボーン という選択肢
皆さんはベアボーンという言葉をご存じでしょうか。
ベアボーンとはパソコンの組み立てキットの1種で、ストレージやメモリなどのパーツを付け足すことで、パソコンができあがるといった物で、最近ではIntel NUCやGIGABYTEのBrixシリーズなどが有名ですね。
先ほど挙げたIntel NUCやGIGABYTEのBrixシリーズはあくまで個人用のプロダクト。
一般家庭などで利用されることが想定されている物ですが、世の中には「産業用ベアボーン」という物が存在します。
一般家庭での利用を想定されておらず、例えばデジタルサイネージや、企業のファイアウォールなどでの利用が想定されている「産業用ベアボーン」。
もし、あなたに自作PCに関してそれなりに深い知識を持っていれば、お得にサーバーやファイアウォール、ルーターなどを構築できてしまうかもしれないんです。
サーバー、ファイアウォールとして
例えばIntel WG82583 ギガビットイーサNICを4ポート搭載したベアボーン。
一般的な利用では、NICなんてこんなに要りませんよね。ただ、これを超小型サーバーや、ルーター、ファイアウォールの代わりとして見てみるとどうでしょうか。
一気に魅力的な製品に様変わりしますよね。
Sophos XG Firewall用サーバーとして
セキュリティアプライアンスの販売で有名な、Sophosは家庭用のUTMとして、Sophos XG Firewall Home Editionを無料で公開しています。
これは、自宅利用であれば同社のXG Firewallと同等の機能を持ったソフトウェアアプライアンス版で、企業レベルと同じUTMを構築することができます。
ただ、この製品を使うにはNICが2つ必要です。
もちろん、普通のパソコンにNICを追加して運用してしまえばそれでおしまいですが、UTMとして使うのであれば、なるべく小型化、低騒音化を目指したいところ。
そんな折に活躍するのが、この東雲社のベアボーン。
NICを2ポート搭載しており、ファンレスのため非常に静かに動作しますし、筐体がアルミニウム合金ですので、放熱性もばっちりです。
ストレージとメモリを購入する必要はありますが、ストレージにSSDを採用すればゼロスピンドルなマシンに仕上がりますので、完全に騒音をカットできる構成も組めます。
VyOSを使った高機能ルーターの構築
Linuxベースのネットワークオペレーティングシステムである、VyOSとNICを4ポート搭載しているベアボーンにインストールすれば、ルーティングやファイアウォール、VPNが使える高性能ルーターを構築することもできます。
まとめ
PCの自作知識さえあれば、安価に家庭用のUTMや高機能ルーターを構築することができるようになりますね。
一般用のベアボーンでは、なかなかNICを複数搭載した物が無いのですが、産業用ベアボーンは複数NICを搭載しているモデルが結構そろっているみたいです。
Amazon以外にもebayやAlibaba等を探せばより多くの、産業用ベアボーンが見つかります。
Amazonで購入できるというメリットはズバリ、英語を使わなくても産業用ベアボーンが手軽に手に入るといったところでしょうか。
今回は主にネットワーク機器として利用するケースを紹介しましたが、工夫次第では他の用途にも十分転用可能です。
RaspberryPiではちょっと辛い処理を走らせるなどにも使えそうですね。
個人的にはIntel NICを4ポート搭載したベアボーンが非常に気になります。
興味のある方はチャレンジしてみると楽しいかも知れませんね。
もちろん、一般用途にはあまり向かない物ですので、ネットブラウジングや動画観賞用に小型PCが欲しいと言うことであれば、大人しく一般向けのベアボーンを購入することを強くおすすめします。